創業融資支援をしている専門家やコンサル会社は多くあります。ここでは、創業融資を専門の士業や特に行政書士に依頼するメリット・デメリットについて考察します。
メリット1 審査に通りやすい(不利な状況が分かる)
創業融資を無事受けるために、事前に確認できることが多くあります。例えば、自己資金、資金使途、信用情報などが挙げられます。それらを事前に把握しておくことで、融資の可能性がある程度予測できますし、不利な点があれば改善策を講じ、より万全な状態で融資に臨むことができます。融資が下りる可能性が極めて低い状態で突き進む、、ということを防ぐこともできます。
事業をするために融資を検討しているので、もし融資が受けられなければ事業がスタートできない訳です。これから初めて創業する方は、事業性融資を申し込むのは初めてであり、金融機関担当者と、創業者との間に一人専門家(行政書士)を挟むことによって、安心して最初の資金調達を進めることができるでしょう。
メリット2 得られる融資額を大きくできるよう対策できる
当事務所では、ご依頼者が計画する事業内容を詳細にヒアリングするとともに、ご依頼者と一緒に事業計画を策定していきます。裏ワザがあるわけではありませんが、事業計画を詳細に検討していきますと、事業のイニシャルコスト、ランニングコストがクリアになっていきます。すると自ずと、必要資金が当初想定していたものよりも増えてくる傾向にあります。逆にいうと、想定外の出費で資金繰りが厳しいという状況を予め潰していくわけです。
上草事務所では、3年分の収支表を作成します。この中には、繁忙、閑散期、竿燈まつり等の祭典要素、従業員シフト要素等を加味します。
メリット3 面接対策も可能
創業融資は、①日本政策金融公庫、②銀行等(自治体制度融資活用)の2種類ですが、どちらも担当者と面接があります。ここで、どのような人なのかや、事業計画について質問されます。融資を受ける立場を踏まえ、どのように受け答えすればよいか事前にアドバイスができますから、金融機関担当者の心証をより良くできるでしょう。
メリット4 創業補助金に対応
自治体では、各種創業補助金を用意しています。補助金申請は多くの書類作成が必要であり、忙しい創業時に手を回すのは大変な場合があります。行政書士は官公署に提出する書類を作成することができます。審査がありますので必ず採択されるとは限りませんが、補助金獲得を強力にサポートできます。融資申込に係る事業計画を一緒に策定していますから、非常にスムーズに進みます。
メリット5 会社設立に対応
創業と同時に会社を設立する場合、設立のサポートができます。ヒアリングの上、定款を作成します。当事務所は電子定款に対応していますので、紙の定款を作成した際に係る印紙代4万円を節約することができます。なお、会社の設立には登記が必要です。登記申請は司法書士に依頼します。
メリット6 営業に必要な許認可申請は行政書士の独占業務
創業融資支援を掲げるコンサルタント会社や税理士事務所は多あります。ですが、行政書士登録をしていない方は、報酬を得て許認可申請を行うことはできませんので、ご依頼の際はご確認ください。
飲食店、美容院、建設業、障害福祉サービス、宅建業と、営業許可が必要な業種はかなり多いです。
創業融資から、一貫して事業のお話を伺い、事業計画を策定し、創業融資を行いますと、これら許可申請もかなりスムーズに進められることは、ご依頼者様自身、想像できると思います。
メリット7 創業後の販路開拓に使える補助金の申請に対応
創業後、「集客」という壁が立ちはだかっています。チラシ、新聞、看板等の集客には費用が掛かります。これらの費用への補助金制度が国、自治体に用意されています。
代表的なものとしては、「小規模事業者持続化補助金」があります。創業間もない方であれば、補助率3/4、補助金上限200万円などと充実していますから、検討してみるとよいでしょう。
ただし、この補助金も事業計画書を10ページ近く作成する必要があり、自身で申請するのは費用対効果が悪いです。行政書士に創業融資を依頼しますと、こういった補助金申請もスムーズに行えるでしょう。
商工会においても、親切に相談に乗ってくれますが、実際の計画書の作成までを1から10まで行ってくれるわけではありません。行政書士に依頼するのがよいでしょう。
デメリット1 費用がかかる
行政書士報酬がかかります。創業融資サポートにあっては、当事務所の場合、申込金額によりますが、着手金7.7万円と、融資決定額の3.3%~4.95%を頂いております。
※ 出資法により、融資支援に係る報酬上限が5%とされています。これを超える報酬を請求しているコンサルタント会社等も散見されますので、注意したほうがいいと思います。
デメリット2 税務のアドバイスはできない
税務の相談はお受けできません。その分、ご希望があれば税理士を紹介いたします。
会社設立後は、これまで事業者様を見てきた経験からいうと税理士に申告を依頼するのがよろしいかと思いますが、個人事業主の場合ですと会計ソフトを用いて申告を行っている方も多く見受けられます。
あくまで創業者の判断となりますが、創業後の売上が十分立たない時に、税理士への顧問料(固定費)が発生すると、月次収支が心配という方もいるでしょう。この点行政書士に依頼しますと「税務顧問」は発生しませんので、気が楽かもしれません。
新たに事業を始めるみなさまへ創業支援|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)