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令和7年4月22日(火)、中小企業基盤整備機構により「中小企業新事業進出促進補助金」の公募が開始されました。
▼公式ページ
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
【制度概要】
本補助金は、中小企業が新たに取り組む事業に対して、最大9,000万円の補助が受けられる制度です。
■ 補助金額(賃上げ特例適用前/後)
従業員規模 | 補助上限額 |
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20人以下 | 2,500万円(3,000万円) |
21~50人 | 4,000万円(5,000万円) |
51~100人 | 5,500万円(7,000万円) |
101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
※括弧内は「賃上げ特例」が適用された場合の上限額です。
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補助率:1/2
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補助対象経費:機械装置費、建物費、広告費、クラウド利用料など
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補助事業期間:交付決定日から14か月以内(採択日から最大16か月以内)
【代表の所感】申請は慎重にすべきです
① 高額補助金=高リスク。返還リスクに注意。
本補助金は「給与支給総額の増加目標」を事前に設定し、目標を達成できない場合は補助金の返還が求められます。
売上や利益の予測が難しい新規事業において、返還リスクを数年背負うのは非常に重い決断です。
申請するなら、「仮に補助金を返還してもキャッシュが残る」事業構造であるかを慎重に見極めるべきです。
② フランチャイズ(FC)加盟では難しい可能性
有名なFCに加盟して新規事業とするアイデアもあるかもしれませんが、公募要領には以下のような審査基準があります。
新事業が社会においても一定程度新規性を有すること(=普及度や認知度が低いこと)
この点から、有名FCは「新規性がない」と評価される可能性があり、採択は厳しいと考えられます。
③ 「少し新しい」では不十分。劇的な売上インパクトが求められる。
公募要領では「総売上高の10%を占める見込み」とありますが、これは最低ラインに過ぎません。
実際には、現在の売上高の30~50%を5年後に達成するような、高成長が見込まれる新規事業でなければ審査上厳しいと思われます。
【弊所の支援方針(抜粋)】
申請される方には、以下のような方針で支援支援を行います。
■ プランA/B方式でリスク管理
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プランA:補助金申請に必要な計画
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プランB:目標未達・返還リスクを想定したリスク対応計画
キャッシュが残らないリスクがあると判断した場合は、申請撤退を助言します。
■ 成功確率を率直に判定
事業の成否や補助金の採択可能性が低いと判断した場合、忖度せず率直にお伝えします。
■ AIツールで計画精度を高める
企業情報の漏洩に配慮しつつ、AIを活用して構成の不備やロジックの弱点を補正します。
【まとめ】
この補助金は非常に魅力的な制度である一方、返還リスクや成長要件のハードルは高く、安易な申請は危険です。
「自社が今、本当に挑戦すべきなのか」を冷静に判断することが、何よりも重要です。