金融機関に融資を依頼する場合に、借入期間が1年以内の短期借入があります。
建設会社などは、工事の完成に紐づけて、短期で借入することも多いでしょう。手形割引や手形貸付、少ないと思いますが借入期間1年以内の証書貸付などがこれにあたります。
融資の種類について
金融機関からの融資には4種類あります。
・商業手形割引
・手形貸付
・証書貸付
・当座貸越
短期借入とは、返済期限が決算日の翌日から1年を超えない範囲に設定された借入金を言います。
日本政策金融公庫では短期借入は可能なの?
可能です。
ですが、長期借入が一般的です。
その理由
日本政策金融公庫の貸付手段は、「証書貸付」のみです。ですから、商業手形割引や、手形貸付による短期の貸付は行うことができません。
では証書貸付だったら可能なのか?と思われるかもしれませんが、デメリットが生じる場合が考えられます。
例えば、短期借入で利用されることが多い建設会社の工事請負代金相当額の借入ですが、建設工事は「工期の遅れ」や、「発注元からの支払い遅延」が生じる場合があります。これにより返済が遅れた場合、「延滞履歴」として記録されてしまいます。
短期借入を利用されるようでしたら、すこし余裕をもった借入期間に設定頂き、工事代金が発注元から入金された後、期日前返済に対応してもらう等の方法が考えられます。
工期の遅れや、相手方の支払い遅延等を考慮せず、工期又は工事代金入金予定日を、日本政策金融公庫への返済期日に設定すると、上記のような不都合が生じる場合があります。そのため、可能ではあるが検討が必要と考えます。
預金通帳がないので、不動産決済には向かない可能性
上記のとおり、建設会社の短期借入であれば、証書貸付であっても返済期日を上手く調整することで短期借入が出来ないことはありません。公庫の担当者とよく相談されてください。
一方で、不動産会社はどうでしょうか。
不動産売買では、決済日を設定し、通帳口座に、借入金の入金と支払いが同時に行われることが多いと思われますが、先にも触れたとおり、日本政策金融公庫には口座も通帳も存在しません。そのため、決済の実例は少ないと聞きます。
まとめ
・日本政策金融公庫からの融資は、基本的に長期借入を想定する。
・日本政策金融公庫には、口座も通帳もない。