公的資金(補助・融資)
補助金が経営にもたらすインパクトとは? 認定経営革新等支援機関 秋田の行政書士上草事務所
2023.10.20

■例えば、食品を販売するA店が、チラシ作成及びポスティング費用として、国の「小規模事業者持続化補助金」を申請し、採択された場合を考えてみます。

小規模事業者持続化補助金で50万円の補助金を得た

この会社は、チラシ・ポスティングを活用したプロモーションを行おうと企画し、85万円の予算を用意しました。

 

そのうち、50万円を小規模事業者持続化補助金として申請し、採択されました。適切な補助金事務を行い、交付決定から8か月後、めでたく補助金が口座に50万円が入金されました。

 

この会社の収益力

項目 金額 備考
売上高 30,000,000
原価 20,000,000
売上総利益 10,000,000 売上総利益率33.3%
販管費 8,500,000
営業利益 1,500,000 営業利益率5%
営業外収益 0
営業外費用 0
経常利益 1,500,000 経常利益率5%
税引前当期純利益 1,500,000
法人税等 450,000 30%と仮置
当期純利益 1,050,000

この会社の直近の損益計算書は上記のようなものです(補助金入金前)。年間3,000万円の売上高、経常利益は150万円出ています。

経常利益率(経常利益/売上高*100は5%)のよくある会社です。

 

では補助金50万円のインパクトとは?

この会社の経常利益率は5%です。

これは、100万円の経常利益を生むには、2,000万円売り上げなければならないという意味です。今、50万円の補助金が入金されたとなると、どうでしょうか。

その50万円の利益を残すために、いくら売り上げを立てなければならないでしょうか。

経常利益率5%の会社ですと、「1,000万円」です!

1,000万円の売上とは、この会社の売上の1/3に相当する額です。

 

50万円と聞くと、さほど高額ではないように感じるかもしれませんが、それを生み出す過程を考えると、簡単ではないのです。

 

しかし、詭弁的な部分を感じませんか?

ここまで説明して、何かおかしいなと感じた方もいるのではないでしょうか。

「補助金を受け取るまでに、会社では経費として使っている分もある。50万円が入金されたからと言って、単純に比較できないのでは?」

ここまで考えが巡った方は、素晴らしいです。

 

そのとおりです。

補助金は、「補助」金であって、使った経費に対してのキャッシュバックなのです。

今回のA社も、50万円を得るために、85万円の予算を充てています。

 

■ではどう考えるか?

あらかじめ予定していた投資(施策)なのか、補助金を受け取ることが目的の投資(施策)なのかによって、受け取った補助金の貢献度が変わってきます。

 

①あらかじめ85万円の支出を決めていた→適した補助金を申請、交付決定を得る。→元々宣伝経費として85万円の手元資金が減る予定だったが、補助金50万円により、予定よりも安価に実施できた。
②補助金50万円を得ようと、無理に85万円の宣伝施策を考えて支出した→50万円は得られたが、手元の35万円が減った。

①、②は、外から見ると同じ行動を取っているように見えます。しかし、内情が異なることで、補助金に対する捉え方がまるで変ってきます。

 

①は元々入金予定の無い50万円の補助金が入金されるわけですから、利益的側面をより強く感じるというわけです。

 

まとめ

①補助金は、金額以上のインパクトがある。

②予定していた投資(施策)に対するものであれば、より高い効果を感じることができる。

 

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