「建物を建てたい、大型機械を導入したい」
そんな中小企業の経営者に、ぜひ知っていただきたい補助金があります。
それが中小企業新事業進出促進補助金です。
令和7年4月にスタートした比較的新しい補助金で、現在第3回公募が進行中です(令和8年3月26日締切)。この記事では、概要から申請のポイントまでわかりやすく解説します。
この補助金、ひとことで言うと?
「新しい製品・サービスで、新しい顧客層にアプローチする事業」に対して、建物建設や機械装置の導入費用などを国が最大半額補助してくれる制度です。
補助率は1/2、補助上限額は最大9,000万円(賃上げ特例適用時)にのぼります。
補助金の基本スペック
| 従業員数 | 補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
|---|---|---|
| 20人以下 (小規模事業者) |
2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
※ 補助率 1/2 補助下限額 750万円 ※ 賃上げ特例は大規模な賃上げ計画を申告した事業者が対象
対象となる事業者は?
中小企業者(個人事業主を含む)が対象です。業種ごとに資本金・従業員数の要件があります(例:製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または従業員300人以下)。
以下の方は対象外となりますのでご注意ください。
- 従業員数が0名の事業者
- 創業後1年に満たない事業者
- 大企業の子会社など(みなし大企業)
「新事業進出」とは何か?3つの要件
この補助金の審査の核心が「新事業進出」の要件です。以下の3つをすべて満たす必要があります。
新規性
新規性
要件
「高付加価値な事業」「ニッチな事業」であっても、顧客層が既存事業と同じであれば②の要件を満たしません。BtoBからBtoCへの転換など、顧客属性の違いを明確に示せることが重要です。
何に使えるの?補助対象経費
補助対象経費には「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかが必須です。「モノ(設備・建物)への投資」が前提になっています。
その他、以下も対象となります。
- 運搬費・技術導入費・知的財産権等関連経費
- 外注費・専門家経費
- クラウドサービス利用費
- 広告宣伝・販売促進費
※ 機械装置は単価10万円(税抜)以上のものが対象です。
申請から補助金受取までのフロー
の作成
(Jグランツ)
採択決定
通知
の実施
の提出
確定通知
の受取
交付決定後に自己資金や融資で設備を購入・建物を建設し、実績報告を経て補助金が振り込まれます。申請前に金融機関との資金調達の目途をつけておくことが非常に重要です。申請書類に「金融機関による確認書」が必須書類として含まれているのもこのためです。
採択されるための審査ポイント
① 新事業進出指針への該当性(最重要)
製品・サービスの新規性と市場の新規性が、既存事業との相違点を含めて明確に説明できているかが問われます。
② 新規事業の新市場性・高付加価値性
客観的なデータや統計で裏付けが必要です。「新しいと思う」だけでは不十分で、根拠のある説明が求められます。
③ 事業の実現可能性
スケジュールの現実性・実施体制・資金調達の確保状況が審査されます。
④ 収益計画の妥当性
付加価値額・賃金の目標が根拠をもって設定されているかどうかが見られます。
⑤ 政策面(加点要素)
関税の影響を受けている場合や、地域の雇用創出・イノベーションへの貢献が期待できる場合は加点される可能性があります。
こんな方に向いている補助金
- ✅ 新しい製品や事業で新たな顧客層を開拓したい
- ✅ 建物を建てたい、大型機械を導入したい
- ✅ 投資規模が大きい(最低でも1,500万円以上の投資が目安)
- ✅ 事業計画をしっかり説明できる、またはサポートを受けながら作成できる
一方、「既存事業の延長」や「今の顧客向けの新製品」では採択が難しい点も覚えておいてください。
※ 本記事は令和8年1月時点の公募要領(第3回)に基づいて作成しています。制度の詳細・最新情報は必ず中小機構の公式ホームページでご確認ください。