この補助金の活用を考えたとき、多くの場合は、
「必要な機器がある」→「補助金を活用できないか」→「ものづくり補助金が使えそう」
の順番で考えると思います。
ですが、補助金申請に係る事業計画書に、
「この機器はこういう機能があります」→「この機器の有用性はここです」→「だからほしいです」
との3段論法を並べても採択は難しいです。
〇補助金申請は、「企てた補助事業」を補助金を支出することに足りる事業であることを認めてもらう作業と考える。
これまでの採択例を見ると明らかですが、〇〇の機器購入事業というのは1件もありません。
例えば、
・東北初のレーザー切断機導入による環境負担軽減と生産性向上の取組(福島・製造関連)
・高齢者患者の身体的負担減少のための即時的低侵襲治療の確立(東京・歯科医院)
・ 世田谷で一番猫の診れる動物病院になるプロジェクト(東京・動物病院)
といった具合に、機器が欲しい!ではなく、「補助事業」を立てているのです。
また、ものづくり補助金は先進機器の導入が多いので、全国で見ると購入機器が重なることもあると考えます。ですが、申請者の個性や事業環境を考慮していくと、同じ補助事業内容となるわけがありませんし、全く別の切り口での事業計画書が出来上がります。
ではどう事業計画書を作る?という疑問が生じます。
そのヒントは、
自社の強み、弱み、歴史、課題、解決策、商圏、失注、財務状況、資金調達、地域の課題、DX、購入機器、費用対効果、
事業体制、働き方の改善に寄与するか、賃金上昇、、、etc..。
このような問いに対する答えが、計画書を作成する上でのポイントとなってきます。
なお、この補助金の趣旨は、単に革新的サービスの開発、設備投資支援ではなく、それによって働き方改革が推進されたり、賃上げを促進することです。この点を認識し、事業計画を立てる必要があります。また、加点項目にはこれに関連する項目が複数ありますので、出来るだけ活用することで採択へと近づきます。加点についてはまた後日記事にします。
(第11次締切 公募要領から抜粋)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。また、業況の厳しい事業者や、デジタル・グリーン分野で生産性向上に取り組む事業者に対して、通常枠とは別に、[回復型賃上げ・雇用拡大枠] [デジタル枠] [グリーン枠]を新たに設け、補助率や補助上限額の優遇により積極的に支援します。