2024年、クリニックがものづくり補助金を使うには?
はじめに
ものづくり補助金は、国の補助金です。1,000万円程度の高額な補助金が魅力です。
令和4年頃までは、個人の歯科クリニックにおいて相当数の採択件数がありました。例えば、口腔内スキャンにより取得した画像データを、CADCAM装置を用いて削り出す装置や、CTスキャン、マイクロスコープ機器などです。
ところが、補助金の申請要件の厳格化等により、国の他の補助金等との重複が認められない事が確認されました。
つまり、上記のCADCAM装置等を補助金で導入した際、保険診療が関係する治療に一切用いることができないということです。もし、補助金を活用した機器を保険診療に用いると、補助金の返還命令が下される可能性があります。
活用方法のポイント
・診療報酬業務との重複が不可
補助金を用いて購入したCAD・CAM装置を用いて、保険適用の歯を院内で製作し提供することはできません。さらに、今は保険適用外でも将来的に保険適用になる場合は使用できないと解釈される可能性が高いです。
・完全自由診療用なら申請しうる
今までも、これからも完全に保険適用にはならない見込みも治療であれば、ものづくり補助金として申請できる可能性があります。
・最新機器を、保険診療用と、自由診療用に完全に分ける
歯の中でも、保険適用がされる歯の治療と適用されない歯の治療がある場合、保険適用されない歯の治療用として、専用機を導入する場合補助金を活用できる可能性があります。ただし、一定期間、完全に用途を分ける必要があります。
・歯科技工所なら診療報酬と重複しない可能性が高い
歯科技工所の売上自体には、診療報酬が関係しないと考えられます。歯科医院自体では申請不可であっても、外注先の技工所では、ミリングマシンや、CADCAM装置の申請が可能な場合があります。
・医科の自由診療
美容、皮膚科、眼科等は自由診療がありますから、申請できる可能性があります。
・裏ワザは無しとの心構えを持つ
以上、歯科機器の補助金申請の可能性について検討しました。しかし、上記を満たす内容であっても、補助金公募の趣旨、その他の要件を全て満たす申請が必要です。
裏ワザは一切ありません。
2024年、ものづくり補助金の公募について
2023年12月に、17次締切の募集について
17次で公募されているのは、「省力化(オーダーメイド枠)」のみです。
https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
「人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援する」とされています。
※ デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)とは、ICTやIoT、AI、①ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の②生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の③個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことをいいます。デジタル技術等を活用せず、単に機械装置等を導入する事業については、本事業の対象とはなりません。
①②③を満たしているかがポイントとなります。
<2024年1月15日事務局照会>
■弊所
歯科技工所がCADCAM装置を導入する際、「個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム」であることはどのように満たし得るか。
■事務局
付属の機器の取り付けや、システムの設定のみでは専用の設計、オーダーメイドとはならない可能性がある。
→単に既成機器の導入だけだと、省力化オーダーメイド枠の要件を満たさないようです。機器・システムが「一点もの」「世界で一つ」くらいの希少性が必要と考えます。
18次募集について
製品・サービス高付加価値枠の募集がされる見込みです。
省力化(オーダーメイド)枠では、申請が難しいかもしれませんが、18次募集の枠では申請できる可能性があります。
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