今回は、山形県の建設業者が採択された補助事業を取り上げます。
(補助事業)
「剪定残材の再資源化による顧客満足度の向上と新規顧客層への展開」
(概要)
造園会社であるこの会社は、樹木剪定の残材をこれまで産業廃棄物業者に持ち込んでいましたが、処理側も焼却が追い付かない状況。
一部は自社で貯蔵資源化していましたが、限界があった模様。そのため、「樹木粉砕機」を導入し、再資源化することで、新規顧客の販路開拓を図りました。
(事業内容)
剪定枝を粉砕する「樹木粉砕機」を導入。2tトラックの荷台に載せて移動できるため、現場へ持ち込み粉砕できます。
粉砕したチップは2mm~15mmに調節できるため、用途に合わせて大きさを変え再利用が可能。
粉砕の音が大きいため住宅街では使えませんが、大きな公園では剪定後そのまま粉砕できます。粉砕後は、そのまま歩道に敷いたり老人クラブのパークゴルフとして敷くなど様々な場所で活用できます。
(展望)
チップをそのまま敷くのではなく、樹脂で固めるなどして、防草シートとして庭に敷いたり、ドッグランとして利用したりと、新たな商品開発を目指す。
(破砕機と産業廃棄物処理施設許可の関係)
剪定枝や、建物の解体現場から出た木質廃材は、自社で破砕して販売したり、産業廃棄物の中間処理によって再資源化ができるケースがあります。
産業廃棄物処理法施行令第7条8の2(産業廃棄物処理施設)によると、1日の処理能力が5トンを超えるものは、都道府県知事から許可をもらう必要があります。
この許可の取得は相応に大変で、建築基準法51条(都市計画による制限)により、都市計画審議会での審議が必要となる場合があります。
ですから、この5tの基準を下回る機器を購入し、破砕をすすめていく事業計画であれば、このような事業の実施のハードルは下がっていくと言えます。
ただし、補助事業の文中にもありましたが、「騒音」・「振動」は少なからず発生しますので、例えば会社が市街地にある場合等、適当な破砕場所を確保できなければなりません。
なお、破砕機は一般に、キャタピラの付いた自走式の車両のような形状をしています。車両のような形状であっても、処理能力が一定数以上になると、産業廃棄物処理法のいう「産業廃棄物処理施設」の「施設」に該当します。
「車両」の形状だから、許可は不要!とはならないのが辛いところです。
(補助金申請のヒント)
ものづくり補助金を活用するとなれば、「革新的」であることが求められます。
地域で誰も導入していない最新の機器であれば、結果的に生産させる商品は「革新的」と言いやすいです。つまり、小さい変更点にスポットを当てて、革新的と言いやすいです。
圧倒的に燃えやすい木くずとか、含水率が圧倒的に少ないとか選別できるとかでしょうか。そのような機器が存在しているか分かりませんが。または、他の事業者との関連の中に革新性を見出せるかもしれません。
そうした点を事業者の方とお話をして、事業計画を作成していくわけです。
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