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建設業許可は取って終わりじゃない? 秋田の行政書士上草事務所
2023.10.23

建設業許可を取得すると、それまで受注できなかった規模(金額)の工事が受注できるようになります。また、公共工事を受注するための経営事項審査や、入札参加資格審査を受けるためのスタートラインに立つことができます。

 

建設業許可は取って終わりじゃない?

建設業許可の申請は、常勤役員等の証明、専任技術者の証明、財産要件の証明など難易度の高い許可申請の一つです。ご自身でされた方は大変だったのではないでしょうか。

建設業許可は取得して終わりではありません。許可を維持管理していく必要があるのです。それらの手続きを以下に挙げてみます。

 

標識の掲示

店舗(事務所)及び建設工事の現場毎に、標識を掲げます(建設業法第40条)。

①一般建設業・特定建設業の別

②許可年月日、許可番号、許可を受けた建設業

③商号又は名称

④代表者の氏名

 

⑤主任技術者又は監理技術者の氏名

※建設工事の現場にあっては、①~④に加えて、⑤も記載します。

 

決算変更届

毎年、事業年度終了から4か月以内に決算変更届という報告を行います。

個人事業主の場合だと12月で事業年度が終わりますので、4月末までに報告する必要があります。「決算変更届」というとイメージが付きづらいですが、直近年度に請け負った工事の内容と、決算の内容を報告するものです。

 

<提出書類>

①変更届出書(ガイドライン別紙8)

②工事経歴書(第2号)

③過去3年の各事業年度における工事施工金額(第3号)

④財務諸表(法人)

・貸借対照表

・損益計算書

・株主資本変動計算書

・注記表

・付属明細表

④財務諸表(個人)

・貸借対照表

・損益計算書

⑤事業報告書(株式会社のみ)

⑥納税証明書

・法人の場合、法人事業税

・個人の場合、個人事業税

 

以下、変更があった場合のみ。

⑦使用人数(第4号)

⑧健康保険等の加入状況(第7号の3)

⑨例3条の使用人の一覧表(第11号)

⑩定款

 

<工事経歴書のイメージ>

工事経歴書の記載には、細かなルールがあります。建設工事においては、建設業法で書面による契約書作成が義務とされていることもありますが、工事の都度、請負代金、着工・完了(引渡し)年月日、工事名等を正確に決定します。これらが曖昧だと、工事経歴書を作成することができず、決算変更届を作成することができず、5年後の更新に影響します。工事実績が溜まってから整理するのは大変ですので、日々整理することが重要です。

 

各種変更届

建設業許可は、常勤役員等(いわゆる経管等)、専任技術者、営業所の所在地など、様々な要件を一つ一つ審査され、許可が下りています。ですから、その許可内容を構成する人員や営業所が変わると、都度、変更届が必要となります。

例えば、専任技術者が退職した場合や、常勤役員等に設定していた社長が亡くなった場合、営業所の引っ越しなどが考えられます。

更新

建設業許可の有効期間は5年です。交付された許可通知書に記載されていますので確認してください。

更新を受けるには、毎年の「決算変更届」が提出されていることが必須となります。これが未了の状態で、更新の申請書を窓口に持参しても、先に決算変更届の提出を求められることになります。

工事請負契約

建設業法第19条には、「契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない」と定められています。

 

しかし、私の経験上、現場では口頭による約束や、工事内容が極めて漠然とした見積書によって発注し、工事完了後は請求書を発行するだけで契約書を作成しないケースなど、100%この規定が守られているとは言えないと感じます。

ご覧頂いている建設会社の方の周りはいかがでしょうか?

そして、そういう場合ほど、工事代金が支払われない、支払いが遅延する、完成しても追加工事を追加料金なしで依頼されるなどのトラブルを耳にします。

 

長年築いてきた工事業者との信頼関係や商慣習もあると感じますが、建設業法が求める必要事項が入った、できるだけシンプルで読みやすい契約書を作成するなど、工夫次第では改善できる可能性が大いにあります。

 

<秋田県庁 建設業許可に係るページ>

https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/1416

 

行政書士のサポート

契約書の作成、日々の建設業法に係る疑義の確認、工事経歴書の作成、決算変更届、建設業許可の更新等は、行政書士がサポートを得意とする分野ですので、お近くの先生を訪ねてみるのもよろしいかと思います。

まとめ

①建設業許可は、取得してからもやるべき事がたくさんある。

②中でも、「決算変更届」は毎年行う必要がある。

③「決算変更届」を行うためには、請負工事の内容の日々整理が重要。

④全ての年度の「決算変更届」を提出しなければ、建設業許可の更新はできない。

⑤工事請負契約は書面ですると、法律で定められている。